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微笑みの国タイ日記 その2 [普通の旅行]

現地ガイドのナロンさんから解放されて、今日からは終日フリー。

思い通りに行動できる反面、頼れるのは自分たちだけ。何が起きても誰のせいにも出来ないのでちょっと緊張している。やっとタイ旅行が始まったと言う気持ちでホテルを後にした。

今日は手始めにバンコクの中でまだ行ってないところにいくことにした。

自分の中の地図を広げるために歩きで出発することにする。

 

バンコクの朝の風景は、屋台の準備を始める喧騒と、道路を走る車クルマくるま、そしてそれらの騒音を子守唄に道端で寝ている人、犬。静と動が入り混じっている。まだ7時過ぎとは言っても気温は25度以上はあり蒸し暑い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオサン通りは世界的にも有名なバックパッカーの聖地。欧米系を中心に各国のバックパッカーが安宿を求めて集まる場所だ。ただ、以前は単なる安宿街だったが、最近ではしゃれたカフェなんかも沢山でき、地元の若者の人気スポットになっているらしい。と、地球の歩き方に書いてあった。

途中までは徒歩で行ったが、さすがにちょっと遠い。しかも、早くも水にやられて腹は下り気味だ。ワットポーの中にあるトイレに、3バーツ払って個室にこもったあと、その近くからバスに乗っていくことにした。

初めてバスに乗るので多少緊張するが、料金を払って行き先を告げると、親切にもカオサン通りの近くで乗務員が教えてくれた。これは本に書いてあったとおりだ。地球の歩き方使えるな、05~06年版だけど。

タイのバスは、車体の色によって料金が異なる。今回乗った赤バスは一回の乗車で7バーツ、乗ってからちょっとすると車掌が料金を回収に来るというスタイルだ。つまりどこまで乗っても7バーツ。ある意味乗っているだけでバンコク観光が出来てしまう。赤バスが一番安くて、他にも何種類かあるみたい。エアコンが効いてるバスもあるけど、これは日本の地方バスと同じように距離による課金制。まぁ、そうはいっても最後まで乗っても20バーツ強らしいが。安い。

タイに来て3日目で気づいたことは、日本と一律でタイの物価が異なるというわけではないということ。例えば、ビールは日本の半額程度するのに対して、バスの運賃は10分の1以下だ。少し考えればそりゃそうだよ、って思うことだが、このことには少々頭を混乱させられた。また、バンコクを離れて田舎に行くと、物価も多少変わるようだ。

 

 

カオサンでボラレ気味ビールを飲んで、日本人のバックパッカーに話しかけられたり、パチモンの屋台の客引きがやたら強引なのがウザイなと思ったりしたあと、一通りカオサン通りを歩いて腹が減った。ご飯にしよう。

 

その辺の大衆食堂に入って昼飯を食べることにした。

メニューが全く読めない。。。

でもこの辺は欧米人が多いこともあってその辺は配慮がされていた。壁に貼ってあるメニューの写真に番号がふってあって、その番号を選べば注文できる仕組みになっている。二人とも麺類を頼んで食べた。

タイの料理は薄めに味がつけてあって、ナンプラーや唐辛子が漬けられた酢、粉末の唐辛子、砂糖などを加えて自分の好みの味を作り出すようになっている。この店で食べたときはそんなに薄味でもないなと感じたので、少し酸味と辛味を付け足す程度にして食べた。すっぱくて辛い味付けは、オレの好きな味だ。細い麺にスープが程よく絡み、スープをスプーンですくい口に含むとパクチー独特の風味が口いっぱいに広がる。

食べ終わってから嬉しいことがあった。食堂のおばちゃんの息子なのか、食堂の手伝いをしている男の子とコミュニケーションがとれて(もちろんタイ語を話せるわけはないが、適当に。)写真を撮らせてもらえた。

風景を撮る場合、単純に技術が必要なことが多いと思うが人を取る場合は別だ。特に一人の人を撮る場合に、いい写真を撮るためには被写体との間に有機的なコミュニケーションが介在していなければならないと思う。

まぁ、自分の思い込みが90%だとは思うが、、、このときは一瞬でも何かが通じ合えた気がする。いい写真が撮れた。

風景写真は無機物に自分の気持ちを込めて、フィルムに焼付け有機物にする作業だ。しかし人物の写真は、シャッターを切るという作業より前に作品が完成されていなければならない。撮影者と被写体の間に片思いでない、双方向の了解が必要なのである。

 

 

 

午後、オレはあまり気が進まなかったが、地球の歩き方に紹介されていた病院の博物館に行ってみることにした。水頭症胎児のホルマリン漬けや、銃殺死体写真、事故死体写真が並んでいる。ちょっと、いや、かなーり不気味な場所である。はっきり言ってその詳細をここに書く気にはなれない。撮影禁止のマークが書かれていたが、そんなものなくても俺はこれにレンズを向ける気にはならなかったと思う。できれば行かなかったことにしたいくらい、あまりにもリアルだった。

今まで直視するのを避けていた死というものに対して、ムリヤリ頭を向けさせられたような気分だ。あいまいだった死の想像が、急激に現実味を帯びさせられたことに吐き気を覚えたくらいだ。俺がデリケート過ぎるのか。でもまだそんなことは考えたくない。。。

 

 

ワットアルンの近くからチャオプラヤの渡しが出ていることは、昨日のナロンさんとのガイドツアーで使って知っていたので、それを使って再びバンコクの市街側へ。

さらにバスを使って、休憩のためにカオサンへ再び行くことにした。二人とも時計を持ってきていなかったので、それを買うことも兼ねている。時刻は確か16時くらい。徐々に道が混雑し始め、朝カオサンに行ったときの倍はかかったと思う。

何分経っても信号待ちをしているバスの車内で、特にイライラすることもなくむしろ、猛暑の中歩き疲れていたのでちょうどいいくらいに思って乗っていた。

次の信号にも引っかかり、これでまた少し休む時間が増えた。何か面白いものないかなぁ、と思ってレンズ越しにバスの車内とバンコクの市街とを交互に見ると、同じく信号待ちで止まった隣のバスに乗っている男の子と目が合った。

 

 

お母さんが一緒に乗っていたので、カメラを向けるのを少しためらったが、目配せの挨拶し、写真とってもいいかと聞いたら笑顔で応えてくれた。

男の子も最初は恥ずかしがっていたが、お母さんに抱きかかえられると、笑顔でポーズをとって快く応じてくれた。

 

正直、タイに来る前に読んでいた色んな旅行誌では、タイは随分物騒なところだという印象を持っていた。

確かに日本と比べれば、事前の印象とそう差異はないかなという実感を、この前日2日間で持っていた。しかし、では東京で今と同じような状況があったとき、見知らぬ外国人に対して、日本人は被写体になることを笑顔で承知するだろうか。

日本には、まだタイが獲得していないハイテクで便利なものが沢山あるだろう。しかし、逆にタイには日本が失ったものをまだ持っているという見方をすることもまたできる。日本が失ったものは、タイがこれから獲得するものよりももしかしたら取り戻すのが困難なものかもしれない。

信号が青に変わり、男の子を乗せたバスが交差点を右に曲がっていくのを笑顔で手を振りながら見送りながら、オレはそんなことを考えていた。

 

男の子は、こっちの姿が見えなくなるまで、身を乗り出し体全体でバイバイの手を振っていた。

 

 


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コメント 15

arukakat

日本の田舎の子供みたいで、いい感じですねぇ~。食堂の子のテレ具合と、バスの子の純粋さ?のようなのが、日本の子供と同じだなーという感じがします。ただ、日本だと一人でいる子を写真に撮ってると、「あらやだ、怪しい人がいるわ・・」なんてことになるんでしょうねぇ~。川の上に建つ家の傾き具合、ステキです。
by arukakat (2007-03-23 17:07) 

とよっち

この子達は、これからどんな人生を歩むのかな?
by とよっち (2007-03-23 20:36) 

えちこ

文章がなかなか、引き込まれますよ〜。
楽しそうで、その場の雰囲気が伝わってきます。
良い写真ばっかりで、ほぇ〜っと写真に吸い込まれる感じです!
いい旅してますね〜。うらやましい〜〜。
by えちこ (2007-03-23 21:10) 

ひろき

いいっすね、タイ。
俺は前回行ったときあまり遊べなかったから、タイ自由旅行のkozyさんがうらやましいですよ。
あっ、そういえばチャオプラヤ川の船ではぼられました。。
100バーツくらいとられたし^^;;
5次会はタイっすね。
by ひろき (2007-03-24 02:00) 

タイの食事は口に合った??

外国っていいよね。
日本人はカモにされやすから、嫌なこともいっぱいあるけど
異国で異国の人と交流できたらうれしいよね。
by (2007-03-24 10:09) 

ちゃわ犬

1週間くらい前、三輪車(タイのタクシー?)
走ってるの見かけてビックリしたよ~ タイ人が運転してたよ
かなりの爆音のものでした・・・・ ハンドルはバイクみたいだった
by ちゃわ犬 (2007-03-24 11:43) 

sakamono

自分がちょっと忙しくしている間に、帰って来ていたのですね^^。街を散策しながら撮ったというふうなスナップが良いですねぇ~。雰囲気が伝わりますよ。行ったコトはないけども。昼飯もおいしそうです。写し方が良いのかな?子供の笑顔は万国共通ですね。
by sakamono (2007-03-24 14:42) 

lingnam

いい笑顔~♪子供らしい無邪気な表情がイイナ。
kozyさんと子供たちの心がどこかでしっかりと通じ合ってるなあ~
ボラれるのは仕方ないですよね。外から来たら
その土地の相場なんてすぐには分からないし、授業料ということで。
by lingnam (2007-03-25 00:34) 

matou

ホント良い文章だね。
自分の気持ちを素直に書いていて。
読んでてフムフムって頷きますよ。
by matou (2007-03-25 17:33) 

コバ

生きてるって感じだなのだ。
おいらも旅にでてぇなぁ(・∀・)
by コバ (2007-03-26 10:47) 

kimiko

タイの食堂で知り合った男の子の写真
確かにそこにコミュニケーションが介在してる感じが伝わってきます。
とってもいい表情に撮れてますね!

kozyさんの言われた人物と風景を撮る場合の気持ちの違い・・
なるほどねぇ。そうだったんだ!‥と思いました。
無機質なものを撮るときに自分の思いを込めることはしてましたが
人物についてはあまり意識していませんでした。

最後の2枚。本当に素晴らしい写真です!!
by kimiko (2007-03-27 09:01) 

海外に出るとね、コトバ以外のコミュニケーションが
とーっても大事ってことに気がつくのです。
男の子の表情、とっても素敵☆
by (2007-04-01 16:16) 

とよっち

どんなスタートを切ったのかな?
忙しくてブログどころじゃないかもしれないけれど・・・
そのうち、近況を聞かせてね~。
by とよっち (2007-04-03 12:41) 

kozy

kozyです。
みなさん、コメントありがとうございます。

先週うちの省の研修があって、やっと寮に帰ってきました。
色々あって、まだ新しい住所ではネット開設できてないです。。。
というわけであと一ヶ月はブログこのまま放置かも(^ ^A

そのうち戻ってきて、皆さんのところ顔出しますから、気長に待っててくださいね~~o^)/
by kozy (2007-04-08 12:09) 

seiya

今度はタイかあ。おれも勇気を出して、旅に出てみようかなっ♪♪
by seiya (2007-04-11 13:23) 

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